[山行日] 2007年4月27日〜30日
[参加メンバー] 三吉
[天候]
タックル:セージXP
9FT#8、トルネードEX78、トルネードEX89ボロン(以上ロッド)、セージ3300D、AARON56TR、ORVIS
DXR56、同78、トルネード78(以上リール)
4月27日(金)
8:50、釧路行きのANAに乗る。東京周辺は快晴だったものの、北海道に近づくにつれ雲が広がり、釧路周辺は完全な曇天だ。
釧路空港でレンタカーを借り、そのまま屈斜路湖へ向かう。道中にどこで竿を出すか考え、昨年のゴールデンウィークに良い結果があった南岸の流れ込み、エントコマップ川またはオサッペ川のインレットを攻めてみることにする。僕自身最も実績のある砂湯は、ゴールデンウィークの調子または相性がなぜか良くない。
釣り場に着いたのは13:00くらい。天気は曇りで、時折小雨も降っている。一番初めに入ったエントコマップは、平日にもかかわらず車が5台ほど止まっており、ポイントにも8人もの釣り人が入っていた。もともとキャパシティのある釣り場ではなく、流れ込みを外すとバックスペースも取りにくいため、早々に移動を決める。
和琴半島を挟んで反対側のオッサッペは人気のあるポイントだが、キャパシティがあるのでそちらに移動する。こちらは貸しきり状態で、平日なら普通はこんなものだろうと思うが、エントコで巨大魚の釣果報告でもあったのだろうか。オサッペに入り、ST8S-TYPE2で湖に向かって右手のワンドでキャストを繰り返すものの反応が無い。こういう時もあるだろう、このまま持久戦で日が暮れるまで竿を振り続けようかと思っていたら、むやみに話しかけてくる釣り人がやってきて集中力が途切れる。満足度の低い釣りを続けるよりも、宿に入って温泉を楽しむことにする。
宿は川湯プラザホテル。老朽化の進んだ宿だが、源泉かけ流しのお湯は抜群。秋田の玉川温泉とよく似た強酸性の明礬泉で、一日入るだけで体調の変化が感じられるほど素晴らしい温泉だ。そのため屈斜路湖に来た時の定宿にしている。晩は釣具の手入れをしてから布団に入る。明日はどこに行こうか。
4月28日(土)
朝は4:00に起床、すでに明るい。5:00前に砂湯に入るものの、魚の気配すらない。ライズも無ければ、アタリも無い。なんとなく日中はこんな様子がつづきそうだったので(水温が極端に低いので。暖冬のせいか雪代の影響が早いのだろうか。。)、思い切って29日に予定していたM沼への遠征をこの日にやってしまうことに決めた。
快晴の下、車を根室へ向けて飛ばす。弟子屈、虹別、別海と走り、厚床で国道44号線に出て、さらに海岸へ向けて南下する。やがて道道(県道を北海道ではこう言う)は砂利道に変わり、潅木の大地をしばらく走ると眼下に太平洋が広がる。緑のなだらかな丘陵が霧の海に落ち込む、胸が熱くなるほど幻想的な風景だ。こういうの、北海道に憧れを抱き続けた「マラスキ系」の人でないと分からないだろうなあ。海岸線を厚岸方面に走ると、フライフィッシャーマンが何人か立ちこむ海蝕沼がいくつか現れる。これが日本最果てのトラウトフィールド、M沼のようだ。
地元のフライフィッシャーマンに話しかけると、これがまさしくM沼とのこと。アメマスの魚影は濃く、彼自身朝方に62cmを上げたとのこと。僕も右手の流れ込み辺りで竿を振る。海岸特有の猛烈な向かい風の中、なんとか40cmくらいのアメマスを上げるがそれまで。風がおさまるのを待ちつつ、沼を一回りしてみる。
右手は牧場になっており、2本ほど小さな流れ込みがある。通常はここがメインの釣り場になるのだろう。沼の最奥部はひどい泥炭地で、歩くのがやっとで立ち込むことはできない。左手奥は笹の丘陵になっていてバックスペースは取れないが、足場は良いのでなんとか釣りにはなりそう。左手の手前も泥炭地、底なし沼のようで入れない。

28日M沼の風景(1)

28日M沼の風景(2)

28日M沼で海亀の甲羅
しばらく風止みを待ったが状況が変わりそうに無い。M沼に来てアメマスを釣ったことでとても満足だったし、厚岸の牡蠣を食べたいと思い、車をまた走らせる。
厚岸の道の駅で牡蠣と帆立の網焼きを食べた後、屈斜路湖に戻る。のんびり走っても夕マズメには間に合うはずだ。戻って再びエントコに入る。何人か昨日と同じ釣り人がいたが(翌日も同じようにいて、エントコのPUSHを決め込んでいるようだった)、両脇で竿を振り続け、釣りはじめてすぐに一匹小振りのをかける。40cmに満たないニジマスだが、コンディションは中禅寺湖の50cmに匹敵する強い魚だ。ジャンプを繰り返した後、キャッチアンドリリース。

28日昼のニジ(1)

28日昼のニジ(2)
夕方近くになると、みんな上がってしまい、薄暮の頃にもなるとエントコには僕だけになった。暗くなったのでオリーブのトルネードから黒いオリジナルフライ(シルバーティンセルにマラブーテール、クートのリブにコックデレオンのハックルを付けたもの。説明はこれだけなので「WORD
OF MOUTH」と仮名しよう!)の6番を2Xのティペットに結び、流れ出しの両サイドを丹念にトレースする。ほどなく根掛りのような強いアタリ、頭を振る感じからサイズのある魚であるらしく、緊張する。ダイブを繰り返すトルクのある引きはアメマスではなくニジマスの大型を予感させる。寄せては引かれを何度か繰り返すものの、5mくらいからはビクともしなくなった。ネットを持って立ちこんで追い立てるとやっと浮いてきて、そのままネットでランディング。50cmくらいの銀ピカの魚体は。。。ニジじゃなくてサクラマスか? 魚体に触れるとポロポロとウロコがはがれ、体形もサクラマス特有の豊かな張りを見せるが、僕は屈斜路湖にサクラがいるとは知らなかったので、「屈斜路のニジはさすがにすごいコンディションだなあ。顔つきもニジとは思えない。」などと思っていた。後で白石健一さんにサクラがいることを聞いた。

28日夕方のサクラ(1)

28日夕方のサクラ(2)
自分のオリジナルフライで満足のいく魚を釣り上げる喜びは、フライフィッシャーマンでないとなかなか分からないかもしれない。いろいろな要素がすべて正解した結果。ビンゴ。
今日は本当に盛りだくさんで、BIG
DAYだった。

28日夕方のエントコマップ川周辺(1)

28日夕方のエントコマップ川周辺(2)
29日(日)
この日も4:00からエントコに入るものの、またしても釣り人でいっぱいだ。初心者も多く、見切りも遅そうなので、こちらが動くことにする。しかし、水温がひどく低く、どこも調子が良くなさそうなので、いったんホテルに帰って朝ご飯を食べ、朝風呂に入ってウトウトし、阿寒湖へ娘のお土産のマリモを買いに行くことにした。これも旅のクオリティだろう。
昼過ぎに屈斜路湖はエントコに戻ってきたものの、天気がひどい。強風と叩きつけるような雨で、いわゆる嵐であった。なんとか昨日と同じくらいのサイズのニジを上げるものの、後が続かない。

29日昼のニジ(1)

29日昼のニジ(2)
15:00をまわると立ちこんでいられないくらいの波がエントコに打ち寄せ、仕方なく退散する。 湖を一回りするものの、山側の一部を除いて全面的に同じような状況。さて今回最後の夕マズメをどこでやろうかと悩んだ結果、温泉に浸かって過ごすことにした。そんな風に考えるのは僕ばかりではないようで、帰り道に偵察するポイントはどこもガラ空きだったので、みんな今日は早上がりしたようだった。
30日(月)
今日はいよいよ最終日だ。とはいえ満足のいく魚を獲った後なので、余裕をもって楽しめる。今回あまり入らなかったオサッペで締めようと思う。4:00だというのにすでに10名ほどのフライフィッシャーマンが入っていて、僕は一番右端のワンドで竿を振る。ここは案外流れ込みそのものよりも魚がついていることが多く、実績も多いことを僕は知っている。すぐに40cmくらいのアメを上げる。調子が良い。連発するかと思ったが、これでパッタリとアタリが止んでしまった。7:00に納竿。ホテルに帰って朝ご飯を食べる。

30日朝のアメマス(1)

30日朝のアメマス(2)

30日朝の尾札部川周辺の森
フライフィッシングの場合、未知の釣り場や釣り方で手探りしながらメソッドを立ち上げることが一番楽しく、ある程度メソッドが類型化されてしまうと、TVゲームのようなつまらなさが支配的になる。もちろん屈斜路湖を熟知したとは思わないし、湖の釣りにおける僕の技術自体まだまだ稚拙だが、適当に結果が出るようになったこの辺りでフライフィッシングの遊び方を変えた方が良いと思う。
ホテルをチェックアウトしてから、かれこれ20年ほど前に自転車で旅した場所を訪ねてみることにした。摩周湖や開陽台は当時の憧れの場所だったが、ずいぶんと様変わりしていた。中標津から再び厚岸に移動し、駅前食堂で生牡蠣を食べる。この後、別寒辺牛川(べかんぺうしがわ)が厚岸湾に流れ出す河口部を偵察する。地元のフライフィッシャーを話をすると、ここは海アメで有名なだけではなく、イトウも釣れるらしい。今や本当に幻の魚になってしまったイトウを狙って釣ることができる数少ない川だ。別寒辺牛川の場合、冬季の産卵期から徐々に下流へ下ってきて、この季節には河口部で狙うことができるとのこと。同じくイトウの川として有名な風蓮川でも鑓別(やりべつ)辺りでこの時期狙うことができるらしい。面白そうだ。今度はイトウを狙ってみるか。それとも四国のアカメを狙ってみようか。どちらも十年後には釣りの対象にはならなくなる絶滅危惧種、というより絶滅を待つばかりの種だ。このように情報も個体数も少ない魚を狙うことに強く心を惹かれる。

30日摩周湖

30日開陽台(1)

30日開陽台(2)
帰りに釧路のフライフィッシングの情報源「ランカーズクシロ」によってから釧路空港に戻る。
今度は違うスタイルのフライフィッシングで、新しいプロッティングを試みたいと思う。