[山行日] 2007年4月14日(土)〜15日(日)
[参加メンバー] ポスト、KM
[天候]
[写真とコメント]
KM
GW剣岳・源次郎尾根を間近に控え、まともなアルパインは昨年末の黄蓮谷だけなので、「アルパインのルートを1本登っておきたい」というポストのリクエストで、天狗尾根を計画した。
以前獨標時代、12月の初アイスは人の少ない八ヶ岳東面が定番だった。東面のアイスルートはほとんど踏破した。久々の東面で期待が膨らむが、今一天候が不安だった。
4月13日(金) 雨
八王子(22:40)−美しの森駐車場(0:20)
天気は雨、須玉で高速を下り、小川山へ向かう通いなれた道を辿る。雨脚が強く路面は水幕が貼り、道路のラインが反射して読めない。蛇行したりして、ポストには居眠り運転かと思われたようだ。
清里のコンビにで買出しし、美しの森駐車場へ。
標高が高いためガスが出で来て行く手を阻む。
HPで検索した情報どおり、林道入口にはゲートが出来ていて進入禁止。雨のなか駐車場には三河ナンバーの乗用車の横にテントが1張りあった。
4月14日(土)
美しの森駐車場発(7:30)−赤岳沢出合小屋(9:30)−カニのハサミ(15:00)−稜線(17:00)−キレット小屋(18:00)
夜中に何度か起きたが雨脚は変わらず。
日差しで目がさめたが、はるか下界は青空だが、八ヶ岳上空は真黒な雲で覆われている。西からの強風で雨粒が飛んでくる。
日も長いし、尾根上はビバークポイントが適所にあるので、とりあえずいけるところまで行こうと遅い出発となった。
以前クルマで入れた所までは、徒歩で小一時間かかった。
林道には雪は一切無かったが、ところどころ路肩が崩壊していたり、落石が邪魔をしているので、たとえゲートが空いていてもクルマでのアプローチは無理だ。
林道の終点からは堰堤をいくつも越え、ところどころにある赤テープにそって赤岳出合小屋へ。小屋で小休止後、赤岳沢へと分かれる。しばらく行くと左手に赤テープがあり、見上げると雪のルンゼになっている。ここが天狗尾根の取付だろう、忠実に腐った雪壁を辿り尾根上へでた。
尾根上は樹林帯で、氷化した雪で歩き難い。
途中コルがいくつもあり、快適そうなビバークサイトだった。
風は強い物の冬のそれとは違い、寒さはほとんど無い。
上空の暗雲もいつしか晴れていた。
いい加減飽きてきたころに、奇岩・カニのハサミが現れた。
登攀対象とはならないが、奇妙な岩だ。ここから岩稜帯に入る。
最初の岩峰は右から巻いて、雪のルンゼを登った。
2番目の岩峰も右側から巻くが、FIXが張ってあったので、プルージックでセルフをとり、トラバースしてから直上した。
さらに次の岩場も右からまいたが、1段高いルートを取ったようで行きずまった。雪の斜面に飛び降りようとした瞬間、握っていた潅木が折れ、墜落!2メートルほど垂直に落ち、斜面を5メートルほど滑落してとまった。
予想していたので問題は無かったが...。
ポストには一段下を繰るように指示をだした。
大天狗は右の肩へ上がるのだが、ここでロープをだした。
階段状の岩場を直上し、2本水平に下がった残置スリングとピトンにランニングを取る。スタンス、ホールドには新雪が乗っているので、手袋やピッケルで払いながら、シーズン中さながらの登攀が楽しめた。プロテクションをとった後、垂直に岩を乗り越えてから、レッジを右にトラバースして安定したテラスへと移動すのだが、残地も無く、スタンスやホールドも雪が乗っていて非常に悪い。何とか騙し騙し抜ける事ができた。しかし終了点は直径5cmほどの潅木を数本束ねた物が、3箇所あるだけ。
フォローのポストが落ちたらグランドするか、終了点ごと吹っ飛ぶか...。再度戻って残置を探すが、見つからない。ピトンも打てる様なリスも無い。足元を見ると岩が二つ。ピナクルとは呼べそうもない、スリングのかかわりの悪い岩だ。ピッケルで根本を削り、スリングを撒きつけ、縛っってフォロー用のランニングとした。トラバースはフォローのほうが怖い。手前の岩には、フォロー側の岩のスリングが上にずれ外れないよう、低めにカラビナが位置するよう、セットした。ちょっと心配したがポストは何とか抜ける事ができた。 続くピッチはさらに大天狗をトラバースするものだが、ロープを使ったが不要だろう。次に待ち構える小天狗は、岩の階段を雪を払いながらコンテで登るうちに左側を通過していた。
最後はちょっと急な雪のリッジをコンテで登り縦走路に合流した。目の前には赤岳、振り返れば尾根上の岩峰や清里の町並み、遠く富士山や、これから向かう旭や権現のパノラマが広がる。
夕日を背に縦走路をキレットへと下るが、雪の乗った急なガレ場でことのほか悪い。何とか明るい内にキレット小屋に到着。無人の小屋の横に幕を張った。新雪のおかげで飲料水には困らなかったが、一晩中強風に煽られた。

取り付きのルンゼ。
写真では分りづらいが結構傾斜がある。

いい加減飽きたところで突如現れる奇岩・カニのハサミ。
ここまでの行程が核心部?
ここから稜線に抜けるまでわずか2時間!

1個目の岩峰の巻き道のルンゼ。

2個目の岩峰を巻くルンゼ。

大天狗を見上げる。右手奥に小さく見えるのが小天狗。

岩稜帯を登るポスト

大天狗と富士山

小天狗のフェイス

小天狗と大天狗

これからキレットへと下る主稜線