[山行日] 2007年3月2日(金)〜3日(土)
[参加メンバー] KM単独
[天候] 晴
[写真と文] KM兄
3月は初旬に松木沢でアイス納め。
下旬に谷川岳・東尾根という計画をポストと検討していた。
ミンミンさんも都合がつけば東尾根に行きたいということだった。
しかしながらACMLの情報によれば、今年は季節が早い。
3月末は入山禁止となるだろう。ポストは3月前半は仕事でNGだという。
後半日帰りなら何とかなりそうだが、谷川は何があるか分らない。
今までの経験ではヘッデン下山や日付が変わってからの下山はあたりまえ。
ルート途中でビバークもある。(この時は携帯が通じ遭難騒ぎにはならなかったが、月曜会社を休んだ)
月末土曜は会議で出社。日帰りの計画では心もとない。
そこへ来て3月3日(土)、4日(日)は2日間とも天気が良く、気温が高いという。
これは雪が緩む前の土曜日しかチャンスは無いと判断した。
パートナーの都合は付かないが、前々から暖めていた計画を実行に移すには、決断力とフットワークの軽さが必要だ。
また今年は年男で、この後何年ハードな山行ができるかという思いがあった。
体が動くうちに宿題を片付けておきたいとも思いが切実だ。
それが今回、単独で東尾根を登り、マチガ沢をボードで下るという計画を実行に移した理由である。
記録
3月2日(金)
自宅発(22:00)−水上インター(0:15)−ロープウェー下就寝(1:00)
指導センター前は坂道のため車中泊には適さない。
少し戻ってシェルターを抜けたところの平らな駐車スペースで就寝。
ビールの小缶でお清めしたが、緊張のためか良く寝付けなかった。
3月3日(土) 晴れ
指導センター(5:45)−一ノ倉沢出合(6:45〜7:15)−
シンセンのコル(9:40〜9:50)−観倉台(10:30)−
国境稜線/オキの耳(11:45〜11:50)−西黒尾根/四の沢上(12:15〜12:35)−滑降終了(13:00)−マチガ沢出合(13:10〜13:15)−指導センター(13:35)
4時起床予定が寝過ごし4:30起床。 そそくさと朝食を済ませ、ロープウェーベ-スプラザへ。
トイレを借りようと思ったが正面玄関はロックされている。下の階へいくスロープ脇から、柵を越えてトイレを借りる事が出来た。
指導センター前にクルマを移し、身支度を整える。歩き始めるとすぐに明るくなった。
マチガ沢出合では本日下山時に滑るであろうコースが、夜明け直後の淡い光のもと眼前に迫る。一ノ倉出合では朝日の中、全景が手にとるように分る。いやがおうにもモチベーションが上がる。
ここで登攀装備を整え、いざ一ノ倉へ歩を進める。
ACMLにあったとおり最初の小滝が顔を出し、水がとうとうと流れていた。
左岸を巻きしばらく本谷沿いに進み、すぐに一ノ沢出会いとなる。 先行パーティ(2名)が見えた。
当方ロープは無いものの、通常の登攀具以外に、スノーボード、三種の神器(ビーコン、プローブ、スコップ)持参のため、かなりの大荷物だ。一ノ沢の長いのぼりにかなりバテた。
途中単独氏に抜かれる。
右手に左方ルンゼの見事な氷瀑を見送り、ようやくシンセンのコル到着。
小休止後いよいよ東尾根の登攀開始だ。 とりあえず第2岩峰を目指し、雪稜を詰める。 まだこの時間は雪は締まっている。
第2岩峰取り付きでは、2名パーティがアンザイレンで登っているため、セカンドと単独氏、私の順番待ち。
セカンドに続き単独氏がいなくなり、いよいよ私の番だ。
残置スリングに自分のスリングを足し、ちょっとハングッた岩の下を右へトラバース。
アイゼン装着している物の、スタンスはしっかりしていて安心できる。
右手の草つきの階段状に移るのだが、スリングを回収する瞬間、ちょと緊張した。
その後はひたすら雪稜を詰める。 先行パーティーのラッセルのおかげで、かなり楽をさせてもらった。
ただ気温が高いためか、踏み跡が崩れるので登りづらい部分もあった。
尾根上は露岩や観倉台、第一岩峰といろいろ待ち構えていて飽きない。 2名パーテイーは第一岩峰を右から巻いていたが、単独氏は直上!
迷わず自分も巻いた。
右手にドームの頭が見えれば国境稜線はすぐそこ。 西黒尾根に目をやれば四の沢を2名のボーダーが滑っていった。
国境稜線上からのドロップは、雪が少なく露岩が多いためビビってしまい この時点で滑降は四の沢に変更。
稜線直下の露岩を左から巻いて、這い上がるように稜線上に飛び出した。 目の前にはスキーを担いだ山岳スキーヤーが2名。
これから芝倉沢を滑るという。 彼らにオキの耳で写真をとってもらった。
続いてトマの耳を目指し、そこからこれから滑る四の沢をインスペクション。
場所を西黒尾根の四の沢上へ移し大休止。丁度単独のスキーヤー氏が来たので一緒に滑る事にする。
出だしの傾斜は緩いが、そこから先があり地獄の様な擂り鉢状に傾斜を増している。雪質は気温が高い事もあり、ザラメ。ブレーキは効きそうだ。
いざドロップ・イン。 東尾根上から見たより傾斜が無く、今一期待はづれ。
それでもスキー場では体験する事の無い斜度と、長いコースで、ところ所休みながらゆっくり下った。
ターンでザラメをけちらしながら、どんどん高度を落としていく。
サロモン・プロアイスとバートンのビンディングの相性も良く、滑りやすい。
S字屈曲部の大滝は、スキー場なら極上の斜面だ。
高度が下がるにつれ気温が上がり、雪のすべりが悪くなった。
出会い近くでは潅木が多く、滑走日可能となり終了。ボードを抱え出合まで歩いた。 出会いで写真撮影に来ていたカメラマンに記念写真を撮ってもらう。
その後指導センターに戻った。 私が戻ってから45分もしないうちに、東尾根を一緒に登っていたパーティが下りてきた。
単独の場合、すべてにおいて自己責任で判断しなければならない。
長年ああため来た計画を単独で、しかもまたとない好天の元、達成できた喜びは大きい。
仲間と行く山行も好きだが、単独の達成感も捨てがたい。
昨年GWの剣に続き、思い出深い山行の一つとなった。
以上

明け方のマチガ沢全景

朝日を浴びる一ノ倉沢

一ノ沢を詰める

左方ルンゼの氷瀑

右手が第2岩峰

続いて現れる露岩。左の雪壁を登る。

露岩上から湯檜曽川を見下ろす。

西黒尾根と天神平スキー場

次の露岩は左から巻いた。

クラシックルートはストレートシャフトが似合う。
今回ピッケルがプアなため、バイルはヘビーな物を選択。
10数年ぶりの登場となったシモン・シャッカル!

四の沢を滑るボーダー2名

国境稜線直下。
左の露岩を左側から巻いてフィニッシュ!

オキの耳で

トマの耳で

万太郎方面

四の沢をインスペクション

双耳峰

四の沢ドロップ・ポイント 斜度は今一だ

一緒に滑った単独のスキーヤー氏
このあたりは一番斜度があったので、おたがいジャンプターンを決める

最も斜度があったところで45度前後か?
ザックにつけた傾斜計が背中に廻ってしまいい、測れなかった。

途中から滑ったところを振り返る

マチガ沢出合にて滑降終了後

指導センター前で濡れた装備を乾かす。
気温は14℃だが、直射日光が暑いくらい。